藝術と技術の対話 Dialogue on Art and Technology

オンライン講座

アート&テクノロジーの概念構築

テーマ:「藝術と技術」「西と東の相対化」

2025年11月より全7回にわたって開催するオンライン講座は、アート&テクノロジー分野の今日的な役割と批評的視点を身につけるものです。本講座では、情報化とグローバル化、ブロックチェーンやAIをはじめとする新たなテクノロジーの進展を踏まえ、デジタルメディアによる社会環境の変化やアートシーンの国際的動向を把握し、メディア・技術・美術・哲学を通じた広範なテーマから新たな思考とアイデアを育てます。
アートとデジタルテクノロジーによる表現活動が、芸術分野のみならず、ビジネスにおけるイノベーションや事業開発、エンターテインメント領域等のコンテンツ、そして公共サービスやコミュニティ醸成の契機として注視されるいま、その歴史を改めて参照し、未来に向けた新たなアートフォームの形成について考える最前線の講座です。
本講座は、産業界からも注目される同分野の国際的な潮流を学ぶ機会として、企業の方やデジタルクリエイティ…

オリエンテーション

講師:藤幡正樹(メディアアーティスト)
会場:TOKYO NODE LAB(虎ノ門ヒルズ ステーションタワー8階)
入場無料(申込不要/先着順70名)
※YouTube配信あり

配信を見る

第1回 藝術と技術の射程

2025年11月23日(日)14:00〜16:00

※終了しました。アーカイブ動画はこちらからご覧いただけます:https://youtube.com/live/VYqDlg_Puc8

プロジェクト「藝術と技術の対話(DAT)」では、「藝術と技術、西と東の相対化」を目標に、最終的に採択されたメンバーと共にこの目標のための概念構築を行った後、この3年間の間に2つの展覧会を実現する予定です。本講座は、その前提となる問題点を共有し、概念構築・文脈形成のヒントをリストアップしていくものであり、第1回目は、現状認識から、問題点の抽出と共有に焦点を絞っていきます。

本講座

料金(本講座全6回):一般 ¥6,000|U25 ¥3,000
本講座の受講には申し込みが必要です。
受講申込:2025年11月23日(日)受付開始
講師:藤幡正樹(メディアアーティスト)

※受講者はリアルタイム配信のほか、期間限定のアーカイブもご視聴いただけます。
※会場での観覧については、受講者に向けて事前にご案内します。

第2回 問題提起型の展覧会へ

2025年12月14日(日)14:00〜16:00

ゲスト:大久保美紀(美学・芸術学/情報科学芸術大学院大学准教授)
「展覧会」とは何か。美術展は、物を並べる「陳列」から、物語を伝える「展示」、さらにメディアアートが一つの典型である「参加」へと変貌しつつある。だが、展覧会が単なる現状追認にとどまるとき、芸術の持つ問題を提起する潜在性は発揮されないだろう。「Les Immatériaux (非物質的なものたち)」(ポンピドゥー・セ ンター、 1985)等を参照しつつ、これからの展覧会のあり方について議論する。

ゲスト

大久保美紀 OKUBO Mikiの写真
大久保美紀 OKUBO Miki

美学芸術学博士(パリ第8大学)。専門は共感論、エコロジーアート、身体論、自己表象のアート。アーティストユニット「florian gadenne + miki okubo」として第10回500m美術館賞グランプリ、清流の国ぎふ芸術祭Art in the CUBE 2023入選。キュレーションした企画展に「遍在、不死、メタモルフォーゼ」(瑞雲庵、2024)、「IAMAS ARTIST FILE #10繭/COCOON」(岐阜県美術館、2025)ほか。主著に『Exposition de soi à l’époque mobile/liquide』(Connaissances et Savoirs、2017) ほか。

第3回 技術とワザの違い

2026年1月18日(日)14:00〜16:00

ゲスト:原島大輔(基礎情報学・表象文化論/立教大学現代心理学部映像身体学科助教)
人はこの世界にこれまでに無かった何らかの新しいモノを作り出す存在だが、そのためには作りたいというモチベーションだけでなく、それを実現するワザが必要だ。本来、その両者を切り離して考えることはできない。ところが、技術化が進むことで、現在では知能までもが自動化されるまでになった。哲学者ユク・ホイの提唱する西洋中心に生まれた技術概念以外の技術概念(宇宙技芸等)を取り上げ、検討を加えていく。

ゲスト

原島大輔 HARASHIMA Daisukeの写真
原島大輔 HARASHIMA Daisuke

著書に『Cybernetics for the 21st Century Vol. 1』(共著、Hanart Press、2024)、『未来社会と「意味」の境界』(共著、勁草書房、2023)、『メディア論の冒険者たち』(共著、東京大学出版会、2023)、『AI時代の「自律性」』(共著、勁草書房、2019)、『基礎情報学のフロンティア』(共著、東京大学出版会、2018)など。論考を『美術手帖』『思想』『現代思想』『ユリイカ』等にも掲載。訳書に、ユク・ホイ『ポストヨーロッパ』(岩波書店、2025)、ユク・ホイ『再帰性と偶然性』(青土社、2022)、ティム・インゴルド『生きていること』(共訳、左右社、2021)等。

第4回 情報メディアという風土

2026年2月18日(水)18:30〜20:30

ネットワークを通した生活スタイルが日常化した現在を「風土」という視点からみると、われわれはデスクトップという均質の風土の上に住み、どこでもない場所を彷徨う永遠の旅行者となる。発信者不明の発言は欲望の無法地帯を生み、政治がそれを汲み上げるまでになってしまった。完全に環境化してしまった情報メディアの上にいかなる文化が醸成されうるだろうか?

第5回 西洋と東洋を超える情緒

2026年3月を予定

※ゲスト予定
「日本文化を海外に発信」「海外に認められた」といった枕詞は、国内は海外よりも遅れている前提から成り立っているが、本来作り手の意識は宇宙的に同時進行しているはずである。これを自覚するためには自分の足元を深く掘る必要がある。ゲストとともに過去のいくつかの事例に触れつつ、現在位置を確認する。

第6回 デジタル・アートの現在

2026年4月12日(日)14:00〜16:00

ゲスト:サニー・チョン(M+デザイン&建築部門チーフキュレーター)
※日英通訳付
デジタルメディアの生活環境への介入に対して、アーティストは作品で応答するものだ。それをすくい上げる組織の存在も望まれるが、これまでの美術史の延長としてこれを取り上げることには無理があるようだ。根本的な生活環境の変化、風土の変化にどのように対応したらよいのか考え、実際どんな出来事が起こっているのか知る。

ゲスト

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サニー・チョン Sunny Cheung

ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)にて現代美術のキュレーション修士号を取得。これまでにバービカン・センター、ヴィクトリア&アルバート博物館、リバプール・ビエンナーレにて活動。専門は現代美術、デジタルアート、デザイン。M+における主なキュレーション・共同キュレーションに「Beeple: Human One」(2022–2023)、「Pipilotti Rist: Hand Me Your Trust」(2023)、「A.A. Murakami: Floating World」(2024–2025)、「Making It Matters」(2024– )、「Ayoung Kim: Dancer in the Mirror Field」(2025–)ほか。

第7回 これからのアートと哲学の役割

2026年5月を予定

ゲスト:ユク・ホイ(哲学者/エラスムス・ロッテルダム大学教授)
※日英通訳付
多くの技術は未来予測に使われており、ここでは確率という手法が中心となる。つまり過去のパターンから未来予測するのである。この手法が予測できない事象は、亀裂やジャンプである。しかし、これこそがアートの本質であると考えた場合に、未来に突破口を開くことが出来るのはアート以外にはありえない。まだ見ぬアートについて、プロジェクトする方法を議論する。

ゲスト

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ユク・ホイ Yuk Hui

エラスムス・ロッテルダム大学の「Human Conditions(人間の条件)」研究プログラムを担当。著書である『On the Existence of Digital Objects』(2016)、『中国における技術への問い―宇宙技芸試論』(ゲンロン、2016)、『再帰性と偶然性』(青土社、2019)、『芸術と宇宙技芸』(春秋社、2021)、『機械と主権』(2024)等は十数か国語に翻訳されている。近著に「哲学と技術のリサーチネットワーク」主宰、バーグルエン哲学・文化賞審査員。2025年10月には訳書「ポストヨーロッパ」(岩波書店)刊行。